多重債務者の心得: 債務の時効について

2009年12月13日

消滅時効のレアケース

ある多重債務者に分厚い郵便物が届いた。
忘れた頃にやってくる例のアレだ。

郵便物の中には…
『口頭弁論呼出及び答弁書催告状』と『答弁書やその書き方』などを含む数枚の文書。

そう。民事訴訟の訴状が届いてしまった。こうなるともう裁判に臨むしかない。
しかしながら別の記事でも書いたように借金の催促の場合、裁判になるといくら被告人でも、業者の取立てよりかなり緩やかに話が進む。
厳しい取立てを経験した人なら、訴えられた方がどれだけ楽かはよくご存知だと思う。

そこでこの債務者は答弁書に、今後の支払予定などと簡単な謝罪などを記入して提出し、口頭弁論の日を待った。
答弁書の書き方参照

口頭弁論当日までにこの多重債務者はあることに気づく。
と言うより誰かが入れ知恵したに違いないのだが、借金には時効があることを知る。

調べてみるとどうも、近日口頭弁論を迎えるこの借金は消滅時効とやらに該当しそうだった。

まあ、まさかそんなに世の中甘くないだろうとは思いつつもこの多重債務者は口頭弁論の当日、出廷して「時効の要件に該当しているようなので時効にしてもらいたい。」と言ってみることにした。

さて結果は…

見事その場で時効が認められて借金が帳消しになってしまった。
本人もびっくり仰天だったそうだ。

信じられないかもしれないが時効については、どうもピンと来ないルールがいくつかある。

時効を申し立てる事を「時効の援用」呼んでいるがどう見てもワザと素人にはわかりにくい言葉を使っているように思える。
要するに、借りた側が貸した相手に対して「時効だからはらいません!」と言うことがその援用と言う行為だ。

これは口頭で伝えても法律上は問題ない。

普通は証拠として残らないので内容証明郵便を使って行うのだが、今回のこのケースは法廷で述べられているので証拠も何も、裁判の記録として残るのでこれでOKって事になるわけだ。

借金に関する手続きは色々あるなかで唯一、時効の手続きだけが借りた側が貸し主に紙切れ1枚を送りつけて完了する単純な手続きで、案外それを知られていない。

なぜなら、弁護士や司法書士は時効の手続きを代行したところで儲けにならないからあまりやりたがらないし、要件に該当してても時効は勧めてこないだろう。

知ってる者勝ちなのでぜひ覚えておきたい。

時効についての解説は「時効制度について」で詳しく述べているのでお暇ならご参照を。

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posted by 滞納次郎 at 19:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 債務の時効について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月07日

時効制度について

民法は時効制度として取得時効と消滅時効の2つを定めている。

取得時効とは、他人の物を一定期間あたかもその所有者のように占有することによって、その物の所有権を取得することを認める制度だ。
もちろんここで話題にするのはこれではない。

残るもう一つの消滅時効と言うのが借金に関する時効だが、法律の文面そのまま読んでもかなりややこしく感じてしまう。
実はすごく単純で簡単なものなのに…
私なりに簡単に解説するとこうなる。

■債務の時効とは
お金を借りた後に一定期間経過すると借金を返済しなくてもよくなる制度で、一定期間の経過というのは、個人間の賃借の場合は「10年」、銀行や貸金業者等では「5年」となっている。

その期間はいつから起算されるのかというと、支払いができなくなって一括返済をしなければいけなくなったとき、1回でも支払を怠ったときを指す。(期限の利益を喪失したと言う)

金融業者からの借金の場合はそこから5年を経過すれば時効成立させることができる。

”成立させることができる”と言う表現は債務者が自分で成立させないと時効にならないと言う意味だ。

時効の要件に当てはまるのなら、時効の手続きをすればOKなわけだが、それを『時効の援用』などと呼んでいる。

■時効の援用とは
『もう時効だから支払わないよ』と宣言すること、言い換えれば相手に通告すること。

これがちょっとピンと来ないところだが、裁判所に申し立てるわけでも、弁護士や司法書士に代理人になってもらって何かしてもらうわけでもなく、ただ単に債権者に向かって吠えるだけで完了する。

法的には口頭での主張でも問題ない(これまたピンと来ないが)のだが、証拠として残らないので書面を内容証明郵便で送りつけるスタイルが主流だ。

さてここまでの話だと逃げ得のような話だが、世の中そんなに甘くはない。
と言うより、債権者も時効が成立するのを指を加えて放置しているわけではない。
債権者側の働きで時効を中断させることもできてしまう。

時効の援用をするにあたって一番気をつけないといけないのがこの時効の中断で、この要件に該当してしまうと時効を成立させることができない。

長くなってしまったのでこの時効の中断については近日中に別記事にて解説することにする。

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posted by 滞納次郎 at 22:20 | Comment(0) | TrackBack(1) | 債務の時効について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

時効の中断について

■時効の中断とは…
債権者からの働きかけによって時効が中断してしまうケースがいくつかある。
時効のカウントが一時的に止まるケースと、完全にイチからカウントし直しになるケース。
これも堅苦しい文章ではややこしくてわからないので、私の言葉で解説すると、

1、承認
これは借金のを認めてしまう行為をするとまたそこから時効のカウントやり直しとなってしまう。
債権者が送りつけてくる和解の提案や、分割払いの提案に乗って書類に印を押したり、1円でも払い込んだりするとまたそこから5年のカウントとなってしまう。
筋金入りの多重債務者の皆さんはこんなミスは犯さないだろうとは思うが…

2、差し押さえ、仮差押え、仮処分
これをやられるともうどうしようもない。
給料の差押などされた日にゃあたまったもんじゃない。
しかし、サラ金は差押えなんかしてこない事をご存知のベテランの皆さんは気にしないことと思う。
※経営破綻の憂き目に会った某A社は法的手続きをかけ始めていると聞くので、該当する方はご注意を。

3、請求
訴訟による請求がなされたとき。
よく見かけるハガキや封書の請求ではなく被告人にされてしまう場合のことを言う。
裁判が行われる場合はどうしようもなく、裁判に出席しなくとも判決は出てしまう。裁判による判決が出ると、次に時効を成立させるにはそこから10年必要となってしまう。
また、時効成立までに内容証明郵便で返済の請求をされると一旦時効のカウントが半年間停止する。
この内容証明郵便が来たら必ず半年以内に訴訟を起こされると思って間違いない。

■要するにこういう事
もし時効を狙うなら債権者からの封書やハガキは全部シカト。返事を送ったり書類に署名したりすれば時効はまたそこからやりなおし。
法的措置を講じられたらあきらめる。
(図太い方はその法的措置からさらに5年や10年を頑張ると言う手もあるが…)

そして、自分が時効の中断とやらにひっかかってるかどうかわからない場合、これはもうダメもとで気合一発、時効の援用をやってしまおう。
ダメなら「だめだよ」と返事がくるだけのことなので。

最後に、時効の援用はたいてい内容証明郵便を送りつけて完了する。
図太い皆さんは気にしないと思うが、この内容証明郵便と言うものは相手に対して高圧的な態度で物を言う事になる。
いわば「ケンカを売る」のと同じような行為だと思っておくこと。
なので、場合によっては寝てる子を起こすようなことになる場合もあることを想定しておくことが大切だ。

気になる内容証明郵便の書き方はまた別記事で。(数日お待ちを)

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2009年12月06日

内容証明郵便の書き方/出し方

◆内容証明郵便の書き方
⇒用紙
好きな紙でOK!サイズも自由。

⇒書式
1行20文字以内、1枚26行以内。句読点やカッコは1文字扱い。
単位記号は1個1文字。kg、cmなどはそれぞれこれで1文字。
パソコンで作る場合は句読点が最後にきた時、その行が21文字になってしまうので、念のため1行を19文字に設定しておくと良い。

⇒使える文字
平仮名、カタカナ、漢字、数字が使える。
英字は社名や商品名にのみ使える。

⇒訂正するとき
間違った箇所に二本線を引きそこの欄外に「何字削除、何字加入」と記して押印。

⇒差出人、受取人の記入
文章中に日付、差出人、受取人の住所、氏名を書く。
差出人の後ろに押印はしてもしなくてもよい。押印する場合は訂正印と同じものをする。

⇒同じ物を3通作る。
1通は相手、1通は郵便局の控え、1通は自分の控え。
コピーしてもPCでプリントアウトしても良い。

⇒封筒
これも普通のものでOK。差出人は裏に、受取人は表に住所、氏名を書く。
このとき本文中に書いたものと同じ住所、氏名を書く。

⇒郵便局へ
同じものが3通できたら全部封をしないで郵便局に持っていく。
どこの郵便局でも内容証明郵便が出せるわけではないので事前に調べること。

と言う事で時効の援用の文例。

         通知書

貴社より○○年○○月○○日付けで送付さ
れた金銭貸借請求に対して通告します。
請求の債務に対し私の最終弁済は5年以上
前であり、その期間に時効中断事由が見当
たりません。
したがって、貴社よりの請求については既に
時効が完成しておりますので本書面にて時効
の援用をいたします。
よって、今後は当方に請求を一切なさらない
ようにお願いします。
万一、時効の中断事由があればその詳細を
文書にてご回答くださるよう併せてお願い致
します。

平成**年**月**日

差出人 〒***-**** **県**市**町**-**
    逃切 太郎 印

受取人 〒***-**** **県**市**町**-**
株式会社 ▲▲▲▲▲
代表取締役 取立 一郎 殿 

ダウンロードはこちら⇒借金帳消し★消滅時効ガイド

筋金入りの多重債務者の皆さん。検討を祈る。

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総量規制後の新ルールと豆知識
posted by 滞納次郎 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 債務の時効について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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